みなさんは「DWIBS(ドゥイブス)」という検査を聞いたことがありますか?
DWIBSは、MRIを使って首から骨盤を撮影し、がんや炎症などの異常を見つける検査です。
薬剤を使わず、放射線による被ばくもないため、体にやさしいがんチェックとして注目されています。
DWIBSで何がわかるの?
DWIBSでは、体の中の水分の動きを画像として見ることができます。
がんがある部分では細胞が密集しているため、水の動きが制限され、その場所が明るく光って映し出されます。
この特徴を利用して、
- がんの有無や転移の有無の確認
- 炎症や感染の広がりの把握
- 経過観察や治療効果の確認
などに役立てることができます。
PET-CTとの比較
全身がん検査といえばPET-CTがよく知られています。
PET-CTと比較して大きなメリットとして放射線被ばくがないこと、薬剤注射が必要ないことが挙げられます。
被ばくの心配がないので定期的に検査を受けても安心です。
| DWIBS | PET-CT | |
|---|---|---|
| 被ばく | なし | 薬剤とCT撮影の二重で被ばく |
| 薬剤注射 | なし | あり |
| 検査前 処置 |
当院では検査精度を上げるために 検査4時間前から絶食 |
検査4時間前から絶食 注射後1時間安静 |
| 検査後 処置 |
なし | 薬剤の放射能が下がるまで待機 |
| 検査時間 | 約40分 | 注射含め約3時間 |
| その他 | MRI検査を受けられない方は不可 | 糖尿病の方は不可の可能性 |
DWIBSとPET-CTの
がん診断比較表
| がん死亡数 *1 |
1. 肺 |
2. 大腸 |
3. 膵臓 |
4. 胃 |
5. 肝臓 |
6. 胆のう・胆管 |
7. 乳房 |
8. 悪性 リンパ腫 |
9. 前立腺 |
10. 食道 |
11. 白血病 |
12. 膀胱 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| DWIBS | △ | ◎ | ◎ | △ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 | ✕ | ◎ |
| PET-CT | ◎ | ◎ | ◎ | △ | 〇 | △ | ◎ | ◎ | 〇 | △ | ✕ | ✕ |
- ◎:適切
- 〇:可能
- △:不向き
- ✕:不可能
*1:厚生労働省「令和6年(2024)人口動態統計」に基づく
その他、DWIBS検査ではPET-CTで不向きな尿路系がん(腎がん、尿管がん、膀胱がん)の検出に優れています。
DWIBS検査のメリット
- 被ばくがないため、何度でも安全に受けられる
- 全身を一度に撮影できるので、がんのスクリーニングにも最適
- 造影剤が不要なので、腎臓の機能が気になる方やアレルギーのある方も安心
- 糖尿病がありPET-CTが受けられない方でも受けられる
DWIBS検査の限界
- 通常のMRI検査を受けられない方は検査できません。
- ペースメーカーや人工内耳などMRI禁忌のものが体内にある方
- 極度の閉所恐怖症の方
- 妊娠中の方
- 検査中(40分程度)横になっていることが難しい方
- 全てのがんを見つけることはできません。
小さすぎる病変は検出できないことがあります。 - 検出された病変が全てがんというわけではありません。
改めて精密検査が必要になることがあります。 - 脳は検査部位に含まれないので別途検査する必要があります。
検査の流れ
- 1. 検査着に着替えて、MRI装置に横になっていただきます。
- 検査4時間前から絶食をお願いしております。飲み物は水もしくはお茶(糖分のない飲み物)であれば可能です。
- 2. 検査時間は40分ほどで、検査中は息止めのアナウンスに合わせて息を止めていただきます。
- 3. 痛みや苦しさはなく、検査が終わればすぐに普段通りの生活に戻れます。
- 4. 検査結果は画像が入ったCD-ROMと読影レポートを併せて郵送いたします。
検査について詳しく知りたい方や検査を希望される方は、お気軽にご相談ください。
ご予約は直接クリニック(045-482-5715)へお電話ください。